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味探検 江戸前シリーズ 7(東京新聞1997年3月13日首都圏 情報ゆめぽっけ掲載) 

浅草隅田川・駒形寿司(こまがたずし)

春のうららの屋形船

 2月から4月中旬だけ市場に顔をだすシラウオ。産卵に海から遡上してくる5センチほどの白く透き通った小魚を、河口付近で四つ手網などですくいとる。開花前線とともに漁期が列島を北上していくことから、別名「春告げ魚」。
 江戸の代表的名物は「浅草海苔と白魚」といわれるが、シラウオなら隅田川が特に有名だった。この魚、東京湾での漁獲記録は昭和32年を最後にとだえてしまった。「その昔、屋形船をしたて、この近くでシラウオをとり、千住から尾久河畔で桜草を摘んで紅白のお土産にする船遊びがはやった」と駒形寿司の若旦那・鈴木清貴さん。早春のぜいたくな楽しみ方があったものだ。 廐橋(うまやばし)のたもと、隅田川沿いに寿司店とともに屋形船4隻をもつ。お父さんの清幸さんは現役漁師である。
 特上握り寿司(2300円・写真)のオオトロに感激しながら、定番料理の「白魚から揚げ」(400円)と焼き貝柱を新ノリで包んだ「帆立磯辺巻き」(1000円)で一杯やる。春うらら隅田の流れをながめながらの2階座敷は、さながら屋形の雰囲気を味わえる。
 ランチタイムのにぎり寿司(1人前900円)の1人半(1300円)はサラリーマンご用達メニュー。3月中旬から4月の期間限定「初カツオどん」(1000円)もまた旬の味だ。屋形船は要予約。

「駒形寿司」メモ

 台東区駒形2ノ1ノ3。都営線蔵前駅下車5分。江戸通りを浅草方向へ300メートル、春日通り右折、隅田川・廐(うまや)橋左手たもと。カウンター13席、2階座敷40席。(電)03・3844・5591。昼11時半〜2時、夜5時半〜10時。毎週土曜定休日。

取材メモ  「春告げ魚」、「シラウオとシロウオ」のはなし⇒こちら

注:記事内容は取材時のものです。現時点で価格・営業時間・経営内容等変更がある場合があることをご了承下さい。

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