味探検 江戸前シリーズ 21(東京新聞1997年6月19日首都圏情報版「ゆめぽっけ」掲載) 

築地・恭川(やすかわ)

夏は房州アワビに限る

BACK(20・日本食堂)|NEXT(22・竹葉亭本店)

 カッポウという言葉には独特の響きがある。カッポウギなら家庭の味を思いだすが、割烹では財布の中身をまず浮かべてしまう。辞書には「料理」「肉を切る」ことと書かれ、最後に「日本料理」とあった。そうかニッポンの料理だったんだと変な納得をしてしまった。
 今回はそんなカッポウの味探検編にあいなった。築地のアジサイ咲く路地。店名を染め抜かれた暖簾をくぐる。「コース料理で季節の肴を楽しんでください」とご主人の小川恭男さん。築地市場仲卸し・堺静が実家という生粋の築地っ子が店を構えて9年目になる。 「市場に毎日顔を出すが、半分以上が情報交換。築地の新しい風を店に送り込むんですよ」という、ご主人お勧めが、マゴチ刺し身と洗い。富津の砂地で育ったコチである。梅肉で食べる夏魚の味わい方を発見。
 アワビの塩蒸し。夏にはビワックイとよばれる房州産メガイに勝るものなしといわれるアワビを6時間蒸し、柔らかで心地よい歯ざわりをワサビで味わう。ふと添えられた青梅煮は二日かけた旬の味。写真はハモとウニ蒸し葛あんかけとマコガレイ縁側煮こごり。コースには、この他つき出し、お椀、焼き魚、ハモ料理に、コチ炊き込みご飯などが並ぶ。要予約・コースのみ1万円から。
 40食限定昼食(1600円)でプレ探検という手もある。  (中島満)

「恭川」メモ

中央区築地7−16−5。営団地下鉄築地下車、晴海通りをかちどき橋手前の道を左折100メートル先左手、徒歩7分。(電)03-3544-0123。カウンター7席、座敷2部屋17人。営業時間昼11時半〜1時。夜5時半〜8時半までに入店のこと。定休日は日曜・祝日・第2土曜。

取材メモ   注:記事内容は取材時のものです。現時点で価格・営業時間・経営内容等変更がある場合があることをご了承下さい。

HOME  江戸前Index  下町BACK    日本料理BACK

BACK(20・日本食堂)|NEXT(22・竹葉亭本店)


send mail こちらへどうぞ

 

copyright 2002〜2010,manabooks-m.nakajima

yasukawa,tukiji,kappou,awabi,bousyuuawabi