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近刊案内!! 2006年 6月28日発売開始(鋭意編集中)

 

栗原伸夫・著

くりさんの水産雑学コラム100

内容紹介のページ

 

すいせんのことば

 

東京水産大学名誉教授・日本貝類学会会長

奥谷喬司さん

(本書に掲載されているものを転載しています)

 

 栗原伸夫氏が平成9年から始めた「水産雑学コラム」が100回を迎えた。
中に2回に亘る話題が2題ある代わりに号外が2回あるので話題も100題に達したことに御目出度うとともにご苦労様と言いたい。その持久力と博覧強記には級友(当然読者も)等しく感服の念を抱かずにはおられない。
 氏は長野県水産試験場を振り出しに、神奈川県水産試験場にも勤務され、淡水・海ともに現場を踏まれたばかりではなく、神奈川県庁にあって汎く水産行政や漁業調整の任にも当たられたキャリアーから、このように水産のあらゆる分野に亘って目配りの確かさと蘊蓄を貯えられたに相違ない。
 氏は一流の諧謔から「雑学」と名付けられたが、水産とは元来、人間の食欲と狩猟本能・嗜好・生物学・技術・経済・伝統・社会・経済などなどが混然一体いわば雑然と絡み合う分野であるから、わざわざ雑学と私称することはないのである。
 それでも氏は我ら水産大学の同級生同様基本的には「魚屋」であるから話題の半分は魚の話で、1.5割くらいがえびや貝の話しである。しかし、氏はその他のあらゆる切り口から水産というものを解説し、ある時は経験を述べるかと思えば行政・教育・歴史・宗教・人物評伝にまで及ぶという奥の深さと広さには驚かされる。
 例えば、推薦者の専門領域から最も興味をもった第72話「ハマグリの蜃気楼」などは生物学から入り、平安時代の貝合わせの話、蛤観音から法華経の解説、浪曲「歌入り観音経」まで話は拡がる。そのレスを氏に見せて戴いたら拙著の宣伝までして下さり、氏の級友への気配りに感謝したものである。
 そういうわけであるから各項目の表題に惑わされてはいけない。第71話「東京水産大学寄付講座」は大学の話かと飛ばし読みしてしまうとマヨネーズの起源など興味深々の蘊蓄を読み損なう。
 本書は「水産」という表題にとらわれず、広い分野の広い階層のかたがたに推薦したい。だから本書を読んだ水産関係の読者は更に読者層を広げて欲しい。水産という先入観にとらわれていた読者もきっと「眼から鱗」、必ず知的な喜びに浸れる書物であることは疑いをいれない。

opyright 2002〜2010,Takashi.Okutani 

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