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味探検215-街道126 中山道A 日本橋(周辺)〜神田〜本郷(湯島)

秘伝の糀が風味醸す

神田明神名物の甘酒

  神田川にかかる昌平橋を渡ると、神田明神。参道大鳥居端に弘化3(1846)年創業の甘酒茶屋「天野屋」がある。

 静かな雰囲気の喫茶室で「甘酒」(400円=写真)を注文。さわやかな甘さに、もう一度家で味わおうとお土産パックを買った。この店でしか味わえない自然な甘さの秘密、それは地下6mの室(むろ)で作られる糀(こうじ)にあった。

 6代目主人・天野博光さんにうかがうと、「これから糀の仕込み作業を御覧いれましょう」と、地下室(むろ) に案内してくれた。関東大震災にも耐えたという明治37年改築の赤レンガアーチのトンネルになっていて、そこが 床場(とこば)と呼ばれる醗酵室=糀室 (こうじむろ)になっていた。この空間は江戸中期から続いている場所なのだという。

 室の中にはすでに作業台の上に蒸し米が山に積まれていた。蒸し米と糀菌を手でほぐし「床(とこ) を起こし酸素を吸わせてあげる」と博光さん(写真右端)が、「床(とこ) もみ」という1次発酵を促す作業を説明してくれた。2次発酵後4日めに糀ができ、さらに甘酒が完成するまでに最短で5日かかるそうだ。

 作業は、5代目の父親・彌一さん(左端)や叔父・桂助さん、義弟・大瀬良貢一さんの4人に、最近、7代目を継ぐ決心を親に伝えたという長男の太介さん(中央)が手伝うようになったという。「家を継ぐというより、糀作りの技を継ぎたい」と親を泣かせる言葉をはいたと博光さんが話してくれた。

 230g入り「生糀」(400円)は、べったらづけ、酒饅頭、手作り味噌のほか、「イカ糀漬けや、干しスルメを裂いて糀と醤油でつけこむとおいしい」と、叔母の史子さんが教えてくれた。喫茶部で甘酒を注文すると、甘味の口直しに添えられた麦糀を原料に作られる「久方味噌」(200g袋入り500円)がなんともいえずうまい。

 5月10日から15日まで2年に1度の神田祭大祭が行われる。 

外神田

天野屋

 

写真上:赤レンガの地下室の床場で糀の第1次発酵作業で蒸し米と糀菌をを5人で手際よく揉み解して「種回りをよくする」。

 

写真下:生糀製品230g入り(右下)、明神甘酒袋入り(右上)と、喫茶室で注文した「甘酒」(左のお盆の右側は「久方味噌」(なめ味噌))。

 

 

 

 

○「天野屋」メモ

東京都千代田区外神田2ノ18ノ15。JRお茶の水駅下車東口出て聖橋渡り本郷通り右折、神田明神大鳥居脇。営業時間午前9時〜午後6時(喫茶部5時半まで)。定休日曜。03-3251-7911。

東京新聞2001年4月12日朝刊掲載原稿に一部修正

糀(こうじ)の話1 本郷・神田周辺の糀作り

糀(こうじ)の話2 甘酒は夏の飲み物だった

酒饅頭の話(書くつもり)      under construction

関連事項⇒町田・富澤商店|王子・石鍋商店|


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