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味探検 江戸前シリーズ 15(東京新聞1997年5月8日首都圏情報 ゆめぽっけ掲載) 

神田小川町・笹巻けぬきずし(ささまきけぬきずし)

元祖江戸前ずし、うまくて安い

 現代風握りずしが登場するのは文政期(1818〜30年)ごろのこと。それ以前の江戸では、ナレズシと握りすしの中間型の各種オシズシに人気が集まった。江戸の1町にそば屋1軒あったそうだが、すし屋はその倍の数はあったらしい。すし好きが多かったのは、昔も同じということだろう。
 「けぬきずし」はそんな江戸前ずしの元祖。「毛抜きずしというは、握りずしを一つづつ熊笹にまきて押したり。価一(個)6文なり」に続けて、これ以外のすしはとても高いと文献にある。うまくて安いすしとして、江戸で流行店の3指に数えられたという。
 ケヌキを冠する店も、現在は、初代松崎喜衛門が元禄に創業した「総本店」1軒だけになってしまった。タイ、エビ、おぼろ、卵焼き、海苔、光りもの、白身魚の7種類のネタを昔と変わらぬ製法で仕込み、笹にまく。「塩も酢もずっと控えめになりましたが、今のお客様には、できたてはちょっと酸っぱいと感じるといいます。半日から1日たつとちょうどよい味になりますよ」と12代宇田川浩さんのお母さん洋子さんが話してくれた。たしかに、食べてみると、押し寿司や普通の握りずしにくらべると、塩分が強く、さらに酢もつよい。
 エビは生きたサイマキ(クルマエビの小型のもの)を使い、白身魚は春にシラウオ、夏にアワビなど旬の素材にこだわり続ける。1人前(7個1550円。店内で食べる場合は潮汁付)ほか各種詰め合わせがある。お茶の水近くに江戸風情のなごりの食を見つけた。(中島満)

「笹巻けぬきずし」メモ

千代田区神田小川町2−12。JRお茶の水駅東口下車徒歩7分、ニコライ堂の通り小川町交差点手前30 右手。店名の看板が目印。千代田線新御茶ノ水駅下車すぐ。「笹巻きすし」のみ。12席。(電)03・3291・2570。朝9時〜夜7時。日曜日定休日。

取材メモ  注:記事内容は取材時のものです。現時点で価格・営業時間・経営内容等変更がある場合があることをご了承下さい。

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