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東京新聞朝刊ゆめぽっけ「味探検」江戸前シリーズ・24回(1997年7月10日掲載)

世田谷区三軒茶屋 氷工房 石ばし

 “年代物”の機械で削るかき氷

 江戸の将軍への献上氷には三つの輸送ルートがあった。富士山ルート、奥多摩ルートに加賀藩からの金沢ルートである。旧暦6月1日を「氷の朔日(ついたち)」と呼び、この日は江戸城内に“御祝儀氷”が配られた。金沢からの「お氷」飛脚は猛スピードで江戸に運び、加賀藩邸に一度運ばれ、藩邸用の氷と献上氷とが検品仕分けされて、将軍さまに即日献上されたという。本郷加賀藩邸前の沿道には、冷水のしぶきを1滴でも受けようと江戸っ子が行列したという。氷は庶民の手の届かない、貴重品だったのである。
 現代ではいつでも手に入るようになった氷だが、白地に赤とか青で「氷」と染められた氷旗が目印の、昔ながらの氷屋さんは少なくなってしまった。
 三軒茶屋の氷工房・石ばしは、「氷」の旗がよく似合う街の氷屋さんだ。「ちょっと前までは区内に80軒近くもあったんですよ」とご主人の石橋信太郎さん。
 氷、ドライアイスの販売が本業の氷屋さんだが、「子供たちに本物の氷を」と店先で昔の雰囲気を大切にした、かき氷を売り始めた。年代物の氷削り機を前に「この刃が命」と石橋さん。浅草の刃研ぎ名人が魂を入れて研ぎ上げた刃で、シュルシュルっと削り氷の山ができあがる。
 いちご(250円)などの定番から、女性に人気の抹茶ミルク(500円)まで25種類のメニュー。砂糖シロップをかけただけという「みつ」こそ本来の味、という石橋さん。週末には、注文に応じて氷のオブジェ製作もすれば、週末になると、自慢のミゼットで氷旗をはためかせながら、公園やイベント会場へと移動する「かき氷おじさん」に変身する。 

(中島満)

●「石ばし」メモ=世田谷区三軒茶屋1ノ29ノ8。東急新玉川線三軒茶屋駅南口から国道246号を 環7方向へ300m,コンビニを左折。電話03・3411・2130。テーブル8席。かき氷営業は12時半〜午後6時。定休・日曜祝日。 取材・新聞掲載:1997.7.1

取材メモ:氷、氷室について、あるいは他のかき氷屋さんなどについては、下記の 「氷の文化史」専用ページがありますから、のぞいて見て下さい。

★氷の歴史・氷室のページ→こちら

 

注:記事内容は取材時のものです。現時点で価格・営業時間・経営内容等変更がある場合があることをご了承下さい。

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