田口哲也著(1994年,冷凍食品新聞社刊)
氷の文化史 人と氷とのふれあいの歴史
表紙カバー
氷の文化史 人と氷とのふれあいの歴史 田口哲也著 1994年5月30日発行 企画編集:まな出版企画 発行:冷凍食品新聞社
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(同書序文より) 序 |
はじめに 二千年前に中国に巨大氷室があった/古代中国のアイスピック/冷蔵貯蔵庫・氷井台/氷鑑・アイスボックスもあった/臥薪嘗胆・呉越同舟 (2)周の凌人・氷を掌る 宮廷職員の六割は飲食関係の仕事に従事/蔵氷・賜氷に九四人が奉職/氷をとんとんと切り出す/司寒の神を祭る/春秋左氏伝・蔵氷の記録/肉食の禄 (3)水晶になりそこなった氷 陰と陽が支配する世界/春には春礼を発すべし/陰陽五行説/太陰の精/水晶とガラスの起源/氷から火を得る話 (4)中国の氷祭り今昔 史記の氷まつり/春夏秋冬/正月孟春氷を解かす/仲春の二月は結婚シーズン/季春三月は氷室を開く/夏に氷を頒つ/秋から冬への氷の行事/タービン・打氷 (5)貴公子たちの氷水 氷は豊富に市中に流れていた/杜甫も氷水を歌った/氷漿とは氷水/茶道と変わり茶/氷盞と氷箱/酸梅湯と蓮の実粥 第2章 アイスロード―氷のたどった道 少ない朝鮮の氷利用文献/古代高麗の頒氷制度/李朝時代の氷庫/サハンジェ・司寒の祭り/ビンプジョソ・氷夫田制度/リュドゥナル・流頭日の氷団子/暑気払いのオンザロック/欧州の氷室と酒蔵/夏と冬の氷合戦/アレキサンダー大王の氷穴作戦/究極の氷水ドルチェビータ/ヘリオガバルスの夏の饗宴/力ルメンは氷水屋の占い師/ワインは冷水で薄めて飲むもの (2)シルクロードの氷果 甘みの起源/アラビアンナイトのシャルバート/フビライが愛飲した舎里八/氷人マルコポーロ/人工的冷却法の発明/メディチ家菓子職人のヒット作/今でも残っているシルクロードの氷水 第3章 氷の朔日―日本の氷ぼなし その1 二度目のお正月/富士参りと氷餅/炎暑に大雪降る/はやり正月/氷の朔日はいつから始まったのか/民間習俗の逆輸入の行事 (2)氷室発見の謎 奈良つげの氷室/鬪鶏稲置の降格事件/長屋王のオンザロック/氷室木簡の意味 (3)供御の氷は年間80トン 主水司は氷と水の役所/水部と水戸が氷室の実働部隊/1年間に氷80トンを利用/氷様は古代の気象予測/氷の神を祭る (4)奈良氷室神社を訪ねる 氷室と氷池の分布/現在地区を推定する/都祁氷室神社を訪問/不凍の言い訳状/笹に覆われた今も残る氷室の跡/都祁村から春日神社に向かう/東大寺山堺四至図 第4章 けづりひ―日本の氷ばなし その2 元祖かき氷・枕草子/夏の氷が名脇役・源氏物語/釣殿の納涼/栄花物語/ああ!氷をもらえた時代が懐かしい/空白期間 (2)お氷さまのお通り 氷は江戸へ/加賀藩の献上氷/玉泉院丸の氷室と氷室鰻頭/加賀様お雪献上/狩谷液斎説による元祖コールドチェーン (3)庶民が味わった江戸時代の氷水 北越雪譜の削氷/三銭の氷売り・塩沢/俳諧職業尽の氷売りの図 第5章 氷を活かす―純氷の世界 (1)アイスマンの登場 ボストン氷を売る/機械氷は神を冒層するもの (2)氷に夢を賭けた男―中川嘉兵衛 一箱で黄金三両した氷/失敗の連続で借金の山/五稜郭氷がボストン氷を駆逐/全国は氷ブームに沸く/東の中川・西の龍紋 (3)機械製氷の歴史 熱病の福沢諭吉を氷が救った/天然氷と機械氷との激烈な競争/製氷会社の統合合併/戦後の製氷冷蔵業の発達/家庭用冷蔵庫の時代 (4)かちわり氷の人気の秘密 おいしい袋詰めの砕氷/カチ割り氷/コンビニは氷屋から始まった (5)氷・トピックス 大ヒットアイスキャンデー/アイスクーポン・氷券/ビールと氷室/氷と風呂屋/氷蓄熱で都市を冷房する/純氷を売る/南極の氷は環境のバロメーター われ氷をアイス―あとがきにかえて(著者:田口哲也) |
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