MANA●BOOK まな出版企画のPRのページです
近刊案内!! 2006年 6月28日発売開始(鋭意編集中)
栗原伸夫・著 |
くりさんの水産雑学コラム100 |
内容紹介のページ |
「fishml」(フィッシュ・エムエル)は「水産雑学コラム」とともに
インターネットメーリングリスト「fishml」管理人 家 辺 敏 雄
(本書に掲載されているものを転載しています)
栗原さんのサイト「水産雑学コラム」については、fishml会員さんの中から「本にして下さい」という要望がたくさんあり、私もなんどもお願いしておりました。
このたび、中島さんのご尽力もあり、めでたく本になりましたことを、心からお喜びしたいと思います。本になること自体は、2006年1月に実施したfishml東京ミニオフ会の時に詳しく聞いておりましたので、私としてはできあがりを待つだけでした。
ある日、中島さんから電話があり、なんの用かなあと思って電話に出ると、栗原さんの本に載せる文章を書いてくれとのこと。その場では、いちおうOKしたわけですが、考えれば考えるほど「これはたいへんな仕事だ」という思いが大きくなり、なかなか手が付かなかったというのが実情でしたことを、最初に記しておきます。
インターネット上に、「ワカサギの移植と琵琶湖のコアユ」というページがあります。
http://www.eonet.ne.jp/~namadu/isyoku.htm
このページが、私と栗原さんの出会いから生まれた最初のページです。見て頂ければわかりますが、琵琶湖で繁殖するワカサギとコアユの関係についての栗原さんからのメールを、そのまま掲載させて頂いています。そして、それに対する私の感想なども載せています。
当時、私は京都の生協で、水産物のバイヤーをしておりました。京都の人に、琵琶湖の魚をたくさん食べて頂きたいという思いから、琵琶湖産のコアユ・小エビ・イサザ・ビワマス・ワカサギなどを仕入れて、お店で売っていました。
ある年、コアユが少なくてワカサギが多いということがありました。いろいろ聞いてまわったところ、もともと琵琶湖にはワカサギがいなかった。余呉湖のワカサギを誰かが琵琶湖に移したら増えたという話がありました。
この話、私はどうも信用できなかったので、インターネットで調べたら、栗原さんのサイト「水産雑学コラム」の「ワカサギの移植」がみつかったわけです。
だいたい私は向こう見ずなところがありまして、栗原さんが水産の世界ではすごい人だと言うことは全く知らずに、「諏訪湖のワカサギが琵琶湖に移植されたことの真偽」について、栗原さんに問い合わせのメールを出してしまったのです。どこの馬の骨ともわからない人物から届いたメールに、栗原さんが親切に返信を下さった、その内容が、冒頭に書いたページです。
栗原さんとのお付き合いは、この時から始まりました。
生協という消費者の組織に勤めていて、魚の仕入れという仕事をする中で私が切実に感じたのは、「生産者と消費者の間が遠すぎる」ことでした。これを解消するためには、広がりつつあるインターネットを有効に利用することが効果的だと思いました。
そこで、作ったのが「fishml」というメーリングリストです。栗原さんも最初からのメンバーで、いつも重要な役割を果たして下さっています。
栗原さんは、「水産雑学コラム」のあたらしいお話ができたら、いつも「fishml」に紹介して下さいましたので、私を含めてfishmlのメンバーは、そのお話を読ませて頂き、勉強させて頂きました。
ひとことで「水産関係者」と言っても、漁師さん、養殖やさん、市場の人(産地と消費地)、運送の人、加工やさん、研究者、水産行政関係者、餌やさん、小売りやさん、そして食べる人と、さまざまな関わりがあるわけですが、栗原さんの「水産雑学コラム」は、どちらかというと川上側(生産者や研究者より)の立場で書かれています。これは、栗原さんが鯉養殖の専門家であり、水産試験場長をされていたというお立場から言えば当然のことです。
普通、そういう側の人が書かれた本というのは、けっこう専門的で、素人には分かりにくい内容の本が多いのですが、「水産雑学コラム」は決してそうではありません。それは、栗原さんの人脈と視点の広さに由来するものだと思います。
コラムのいくつかのテーマの中で、私も事実の検証に参加させて頂きました。
「これについて教えて下さい」
「これについてはどうでしょう。調べられますか」
末端の一バイヤーにすぎない私の考え方なども取り入れていこうという栗原さんの姿勢については、全く感服させられるところであり、そうであるからこそ「水産雑学コラム」が消費者を含めた川下側の人間が読んでも興味深く、役に立つ内容になっているのだと思います。
いま、水産業の危機が声高に叫ばれています。
水産業は、日本人の食生活を担う重要な産業ですから、崩壊させるわけにはいきません。「水産雑学コラム」を、川上側の方に読んで頂きたいのは当然ですが、川下側、とくにお魚を食べる人=消費者の皆さんに読んでいただき、水産業に対する理解を、少しでも深めて頂き、月に一回でも、お魚を食べる回数を増やして頂ければ、これに勝る喜びはありません。よろしくお願い致します。
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