真名真魚字典

 まな・まな・じてん|MANAMANA-JITEN

和名・一次名称・俗称別引用文献・参考文献引用文中の古書名注引用文中の人名注

【箋注倭名類聚抄】抄訳魚字尽成立関連年表

〈凡例〉1

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  凡例  

(1)表題の魚部・魚が含む文字・魚の意味が含まれる文字は、JIS第1水準文字・第2水準文字に基づくW2000IMEで表示可能文字の場合28ポイント文字を使用し、その他の文字は原則Microsoft Photo Drawで造字し、ほぼ28ポイントで画像化(JPEGあるいはGIF)した。旁(つくり)や冠(かんむり)など、魚(ヘン、あるいは文字に含まれる)とともに構成する文字が、JIS表記のネット上で表示可能文字ではない文字で、文字の構成が簡明な常用漢字で表記される場合は、「[魚+ 亶]」「如/魚」のように「魚」(へん)と「亶」(つくり)を「+」、あるいは「/」でウエの字体とシタの字体とを結び表記した。 [魚+@]が頻出する場合は[@]と、略した。真名真魚字典において[@]と表記した場合は、魚偏表記の略としている。このうち、JIS第1水準及びJIS第2水準漢字は、「JIS」と記し「」と色分けして区別し、JIS基本漢字表から、該当文字にリンクするように目次として使用できるようにした。画像文字は、サイト(MANAしんぶん)中のザッコロジー関連記事や原典の翻刻・読み下し文などの引用文献で多用する表示不可の魚偏漢字に対応して作成したものであり、選択に関しては不統一である。

(1)―2本文中のMANAメモ、あるいは引用文中の、魚偏漢字、あるいはその他の文字で、JIS第1水準・第2水準文字以外に含まれない漢字については、(1)の題字表記の例と同様に、[A+B]或は[A/B]のように示したが、字画の多い字形をわかりやすく示すために、第1水準・第2水準文字に含まれる、木偏や虫偏、言偏などの文字を借りて、[枌(木→魚)]=[魚+分]や、[蜱(虫→魚)]で示した。具体的には、凡例2で参考例を示しておいた。

(2)表示文字の配列……諸橋轍次「大漢和辞典」(大修館書店。昭和61年修訂版)12巻の魚部の678字に準拠し、「魚」11画を0画とし、順次画数順に並べた。表示画像と記述の配列は、

 

 1 [魚+]……表題字「魚」が画像であるときに、該当字検索が可能となるべく示した。

0001

JIS

(45956) ギ_ヨ・ゴ。 (1)うお。さかな。(2)水中にすむ動物の称。(3)……

 ○邦名 (1)ウオ。(2)サカナ(『あいう「○×△」』)。……MANAによる一応の目安となる邦名と、出典をしめした。(5)参照。

 ○【倭名類聚鈔】巻第十九 鱗介部……原典あるいは項目ごとに原典名を明示し正確に引いた『古事類苑』のような類書や辞書・事典等からの用例と、MANAのメモ。【倭名類聚鈔】のように原典名を示し、その出典文献は、(5)引用文献・参考文献に一括記した。

 

  のごとくである。数字は、枠外左肩の「1」は真名真魚字典の通し番号を示し、0001=画数に対する大漢和辞典「魚部」中の記載順を表し、同辞典に記載されない文字については、を記し同画数の最後にアトランダムに記した。下段「JIS」は、JIS第1・第2水準文字を示し、次列の(12-45956)は大漢和辞典中の巻数(12巻の場合は省略)と親字の通し番号(index)を示した。以下、同辞典の字音表記法に従って字音を示し、以下MANAにより同辞典に記載された用例、日本語の読みと意味から抜粋して引用した。同辞典に記載されない字体(国字等の整理は特にしなかったが、国字の否かどうかの論がされる字体は、その旨をしるした)は、画数の該当箇所の最後に配列記載した。

(2)の2 なお、「大漢和辞典」には、平成12年に「補巻」が出ており、魚部において、「補743」〜「補765」まで、合計23字が追加されているが、他の参考文献の一にとどめ、そのつど参考として記載した。

(3)タイトル文字の書体および字形は、諸橋大漢和で使用している書体・字形をできるだけそのまま図像化した。旧字体とか新字体ということよりも、漢字の成り立ちを知りたいということのためであり、魚名に付けられた漢字のバリエーションの変容、分類を古辞書・字典等国文資料の原典に記載された表記との比較検討を試みてみることで、魚名起源とのかかわりを探ることができないかということが意図したものであり、また、本サイトを起こした目的である。近世・近代随筆や文芸作品からの引用も、原典(稿本・写本・活字本)ないし、原典を正確に伝える辞書・字典・事典や研究書から出典を明示して、そのまま載せることを原則とした。原典をたどれない用例の引用は原則しなかった(する場合はその旨理由を記載した)。

(4)枠外に、MANAにより、表題文字について目にした諸文献中の用例を記し、魚名・和名・方言と当て字などとのかかわりについて思いついたままのメモを記した。メモ文中の表題文字の記載については、表示不能文字の場合、ページ容量を節約するため「」「*1」「*2」「*’」「*’’」「」で示した。

(4)の2 ほとんど同字体だが、ハネやヒゲ、あるいは僅かに字体の異なる字の場合は、題字Aの元の字形について、Aのように「」をつけて区別して表示した。また、新字体に対する旧字体とを示す場合に、新字体に「」を付し示した。例:鯖(JIS第1水準)と鯖=[魚+](旧JIS第1水準)。

(5)枠外の第1行目に、「○邦名」として、表題漢字を含む魚名漢字のヨミをしめした。「国字」あるいは「国訓」「和訓」あるいは地方方言などによって現代までに使われてきた魚貝類の名前をカタカナで示し、その出典をしめした。冒頭には、「鮪=マグロ」「鯵=アジ」のように、ごくごく一般的に現代なお流布し続けている名称については、出典を記さずに記し(その基準の目安は、『広辞苑』に表題として記載されている漢字とそのヨミ、『漢語林』に載る「国字・国訓一覧」を参考にMANAにより整理記載)、「一般的」ヨミではない場合には記載していない。以下(1)(2)と出典名順に主な名称記載した。多用した出典の略称と採用基準の目安としたところは、次の通り。

●集覧「水産俗字解」「水産名彙」=渋沢敬三著『日本魚名集覧』中の「漢字魚名表」に記載された漢字の読みを引いた出典「水産俗字解」と「水産名彙」その他。……渋沢敬三の魚名研究の集大成である『日本魚名集覧』(以下「渋沢魚名集覧」あるいは「集覧」と略す)は、渋沢個人の研究によるものであるが、もう一方で彼が主宰したアチックミュージアムに集まった多くの民俗学・経済史学・地方研究者等からの多くの資料提供や編集協力を得てのものであるだけに、この中の参考資料として含まれた「漢字魚名表」の一覧に含まれた出典名が明記された魚名漢字リストは、編者が考えるところ、もっとも信頼にたるテキストであろう。ここには、いわゆる魚類以外の水棲動物や植物はリストから除かれているが、旧漢字体のまま、ほぼ正確に画数ごとに漢字の訓み別に整理されている。そこで、一応の整理を終えたのち、将来漢字と邦名整理をするために、原典にまでチェックを入れる目安として、「邦名」記載の基本準拠資料とした。ここに、多く引かれる「水産俗字解」「水産名彙」「水産宝典」「日本動物図鑑」「岩波動物学辞典」の魚名漢字の邦名訓みの検証はせずに、とりあえず、集覧にのるそのままの表記で記載しておくことにした。

●上記中のなかで、最も多く引用する「水産俗字解」及び「水産名彙」についてふれておこう。「水産俗字解」は引用の際の誤記であろう。正しくは「水産俗字集」(すいさんぞくじしゅう)であり、明治20年大日本水産会発行で農商務省農務局編纂課編である。巻頭の「緒言」に「本邦水産ノ名称ニ漢字ヲ填ムルモノ多ク且民間慣用ノ俗字モ亦少シトセス。各地ノ方言ニ同物異名等アリテ紛々擾々孰カ(フンプンジョウジョウイズレカ)是ニシテ孰カ非ナルヲ知ランヤ」とあり、漢名が正しいかどうかを当てはめ判じることが正しいということにはならないので、「通俗節用往来等の書類ヨリ俗字異名ノ類ヲ集録シテ」参考の用に充たせた、とその引用整理の方法と理由を述べている。中世編纂の古字書から江戸期の字典、本草書などから31刊本(一部写本稿本)を選び、和訓(ヨミ)の魚名と、それに該当する漢字体をぬき出したものである。木版刷りによる刻印の文字も楷書体で鮮明であり、出典名が明記され、原典にたどれるために非常に重要な資料である。

●「水産名彙」(すいさんめいい)は、明治34年4月の緒言記載年次があるガリ版刷り本で、大日本水産会発行、田中芳男編纂・藤野富之助補輯と記載され、上下2巻の体裁をとっている。緒言の内容、凡例の記載、イロハ順の編集の方法も「水産俗字集」を踏襲し、「水産俗字集ナルモノアリト雖モ物名僅少ニシテ用ヲ為スニ足ラス。故ニ今回更ニ数拾種ノ書籍中ヨリ和名及ヒ漢名等ヲ抄出シテ其ノ足ラサルヲ補ヒ、且方今世上ニ用フル俗字ヲ加ヘテ其欠ヲ補フ」こととして制作された書である。その意味では、「水産俗字集」の増補版が「水産名彙」であるということになるのだが、ここで両書の利用にあたって注意を要する点を指摘しておきたい。

●「水産俗字集」は、文中刊記において、奥付に「出版人 河原田盛美」が記されているだけで、個人の編者名は記載されていない。農商務省農務局編纂課の複数の担当官により執筆から校正等原稿執筆に相当の期間を経て制作されたものらしく、原典からの誤読、誤記記載が比較的少なく、記述の信頼度は非常に高い。さらに、原典の書についても、確かに数は30数書と「水産名彙」とくらべて数は少ないのだが、当時の時代においても評価の定着している古字書・字典及び本草書に、往来物に含まれる魚字尽の主要かつ明瞭な記載例を選んで出典を定めていることが、内容の検討によって推定される。

●ところが、増補した「水産名彙」はというと、確かに内容を充実させ、引用字例を増やし、より俗字の理解を深めようという意図は正当なものだろうと思うが、ガリ版刷りで印刷された文字の不鮮明さによる字体が理解できないものも多く、さらに、ただ出典資料を増やし(85資料)、字体例を増やしているだけで、原典に記載された魚名漢字の成立課程への考察を一切行わず、字体と訓みの例を採用していることが伺われ、より正しい理解をという当初の目的とはかけ離れた、混乱と読みズラサが目立つ。さらに、「水産俗字集」との決定的な違いは、明治維新前後に発行された資料及び明治期に制作された刊行物からも字例を採用し、イロハ順に同列に整理をしていることの問題である。魚名漢字と和名成立を考える時、西洋の生物学及び魚類学導入の影響による学名と和名呼称の採用後の俗魚名事例が、それ以前の魚貝名称の呼称の位置付けと同列に並てしまったことによる混乱度を、さらに大きくしているように思われる。この混乱を生んだ原因のひとつともなった要注意文書がなぜ生れたのかについては、それ相応に理由があるように思われるのだが、それについては、MANAにより別記したいと思う。いずれにしろ、水産俗字集からの引用は問題ないのだけれども、水産名彙からの引用には、原典をチェックしてからでないとアブナイということを指摘しておきたいと思う。

(5)の2 いわゆる「国訓」あるいは「国字」を限定して選別しようとする考え方があるが、本サイトでは、当面、とくにドレが国字であるとか、国字でないとかの記載はしなかった。用例の引用を増やしていけば、おのずから日本だけで作られた漢字については明白になってくるはずだし、国字を限定しようと考えるよりも、魚偏漢字が多くの変容をもつことを素直に見つめなおし、変容の一定法則が見極められるようになれば、こうした国字か中国起源文字かなどの分類はおのずと判明してくるはずである。MANAのスタンスは、あくまで、邦名の読みのバリエーションの多さに与えた漢字の成立過程とその後の魚名表記の変容の実態を見つめなおしてみたいということである。

(6)真名真魚字典は、冒頭ふれたように、雑魚名起源の探究のために、魚名に当てられた漢字(魚偏等)を整理する目的で記載するものであり、03年11月15日にページ開設。原則1日数字をメドに気のついた文字から埋めていくつもり。さても、さても、どうなることやら。表示方法はそのつど改善しつつ、メモも修正追加しつつ記載字数をぼちぼちと増やしていくつもりである。魚ヘンあるいは魚を字体に含む文字以外の魚関係文字は、「その他魚関係文字」(その他の部)に分類する。また、海に生息する生き物の漢字には、「虫ヘンあるいは虫を字体に含む漢字」「貝ヘンあるいは貝を字体に含む漢字」(貨幣・流通関係文字)や「クサかんむりの漢字」(海藻・海草関係文字)や、複数文字で魚名を表す「熟語魚名」の世界をも考慮に入れなければならないが、これらは、ウオヘンにめどがついたら、また改めてページを設けて取り掛かることにしよう。

(7)原典からの引用にあたっては、原則原典どおりだが、「聲」「經」のような旧字は、「声」「経」の常用漢字体を使用した。辞書等の原典で使用されている「丸付き文字」は、(1)、(2)のようなカッコ付き数字に直した。また、「事」の異体字[古/又]は「事」に、同音を繰り返す記号は、ネットの横書き表示であるために、「\/」「\゛/」「ゝ」(ひらがな)「ゞ」(同濁点)、「ヽ」(カタカナ)「ヾ」(同濁点)、「々」「〃」を原文の記載にあわせて、JIS文字で使用の可能な記号を使用し適宜当てはめて記載した。

(7)−2原典引用の【箋注倭名類聚抄】は、「按」の字については、「エキ齊按う」として、原典の引用文との区別を明示した。同書中の、原典の引用のオワリの区切りを示す「」の記号は、カギカッコオワリの」を太字にして、 」 として示した(文意が明確にわかる場合は、省略した)。

(7)−3 原典引用に際して、原文判読不明、あるいは表記が難しい文字については、編者の推量を交えず、「■」、あるいは「◆」を1文字当たりに対応させて記した。

(8)引用文献・参考文献……おってきちんと整理して一覧記載するが、今は、備忘録程度にアトランダムに記載してある。

(9)魚貝藻・草類の名称表記のしかた……サイト中「邦名」と書く場合は、MANAによる一般的魚貝草の名称あるいは、方言であり、サカナ、タイ、アジ、ハゼ……と、カタカナで記した。また、「和名」と書いた場合は、「学名」「標準和名」に準拠した魚類学で分類認証されている魚貝草類の「標準和名」を示し、カギカッコを付け「マアジ」「マダイ」、あるいは、「標準和名・クロマグロ」「和名・」と区別した。

(10)著作権・版権等への配慮……辞書からの引用や画像の使用(表題文字はすべて(1)に書いたようにJIS文字からのMANAによる造字である。)等の引用が多くなったが、書名、著者、発行所等の引用箇所を明示して配慮したつもりである。原典からの用例引用文を含めて、もし、差し支えがある場合には、サイト管理人にして、本ページ編著作者・MANAまでご一報いただければ、削除するなり、削減するなり致します。

(MANA・なかじま)

 

〈凡例〉2 ネット上での表記制限文字の表記の方法について

(1)画像ソフトを使って造字をする。

(2)JIS第1水準及び第2水準文字に含まれる文字を使って記号でくくったり結んだり、構成文字素を取り替えたりして合成する。

 [A+B]パターン

 [A(X−Y)]パターン

 [A+〔B−C〕]パターン

 [A+B(X→Y)]パターン 

 [A/B]パターン

 [A/〔B−C〕]パターン

 [A⊂B]パターン 

 

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