モロッコ から こんにちは  

黄金の液体アルガンオイルって何


by Reiko Nakamura

チュニジアだよりpart1 2003.01.212003.07.19 | | part2 2004.09.10|part3 2005.10.1

英語版-English

オーストラリア先住民との出会い2009年4月

 

 

 皮膚のしわの減少、アンチエージング、リウマチや火傷やニキビなどの治療、髪の修復、栄養のもと、心臓病の予防、免疫促進作用……そして、クレオパトラも愛用したとか、フランスのマダムたちにも大人気、21世紀最大のアウトブレーク……などなど数々の謳い文句で、今や世界的に注目を浴びている「黄金の液体」を皆さまは、ご存知でしょうか。美容や健康に興味をお持ちの方々の中には、もちろんご存知で、すでにお使いになっている方々もおられることでしょう。

アロガンノ森

銀杏のようなアロガンの実

 そんな販売会社のPRをするわけではありませんが、実はそれはここモロッコで産出される、「モロッコの黄金の液体」と称されるアルガンオイルのことなのです。そのアガルンオイルとはどういうものであるか、また、それにまつわるいろいろなお話をご紹介したいと思います。

地元新聞に連載した「モロッコからこんにちは」にリンク

モロッコの大地の恵みに感謝

 モロッコに以前2年間滞在した時、強烈な太陽に照らされて、相当なダメージを肌に受けていると思っていたのですが、日本に戻ったら、友人たちから

、あれっ、肌がきれいになったとか、若返ったみたいと言われ、ちょっと嬉しくなりました。それは、きっとアルガンオイルを食べたり、塗ったりしていたせいかな、と思えるようになり、モロッコの大地の恵みと、それを生産する女性たちに感謝している次第です。

「アルガンの森」とモロッコでは言われていますが、アルガンの木は世界中でモロッコの南西部、私が以前住んでいたアガディールを中心とするスース県一帯に、また、アルジェリアのモロッコ国境にも少し自生しているだけです。森というと日本の方々は、素晴らしい多様性に富んだ緑豊かな日本の森のようだと思われるでしょうが、この地域は乾燥地帯ですので、カンカン照りの太陽の下、瓦礫のような荒地にアルガンの木だけが、わずかにサボテンだけを友としている ところもありますが、それだけが点々と生えているのがアルガンの森です。

 アルガンの学名は正式には Argania spinosa Linne と言われています。この“スピノサ”の意味は「棘のある」と いうことで、カラタチの棘のように、幹に3cmほどの棘がたくさんあるからです。また、最後にある“リンネ”とは、18世紀に二名式命名法(生物を世界中の人が分かように、学術上の共通な名前である属名と種小名の2つで表すこと)を確立したスウェーデンの博物学者の名前です。この人がこのアルガンの木を始めて新種として、世界に発表しましたので、彼の名前が学名の後についています。

荒地に点在するアルガンの森

 アルガンの木は新世代第四期(洪積世)の頃、今からおよそ約200万年前には、北アフリカ全体に生えていましたが、石灰質が多い半砂漠地帯という気候条件、特に年間降雨量が200〜300mmという乾燥地域に適応して進化したために、現在のような限定された分布になりました。ちなみに、アルガンの木をブラジルに移植したそうですが、気候が合わないせいか、実が成らなかったと聞きました。また、私が教えていたアガディールの学院の庭には本のアルガンの木が芝生の庭に植えてありましたが、庭師さんが毎日水を撒きますので、一応元気ですが、まったく花が咲かないとのことでした。

 普通には葉を落とすことのない常緑広葉樹ですが、干ばつになると代謝を抑えるために葉を落として生き続けます。年間もこの状態で生き続けたこともあるそうで、雨が降るとすぐに葉が出始め、花が咲くとも言われ、大変生命力の強い木です。実はこの木は地下100mぐらいまで根を伸ばして、水分を吸収することができ、また、葉からも空中の水分を吸収する能力もあるそうです。

アロガンノ木に登るヤギたち

そのヤギたちの行動を見学する観光客

 木の高さは8〜10mほどになり、寿命は150〜200年ほどです。香りのよい小さなうす黄緑色の弁の花が月頃に咲き、銀杏(ギンナン)を縦長にしたような形の実が熟すのは翌年の6〜7月頃ですので、実がなるまで14〜15ヶ月もかかります。熟すと実は黄色くなり、完熟すると茶色く乾燥して、地上に落ちますが、木から実を採ることは禁止されており、この落下した実を拾うことがアルガンの収穫なのです。

ヤギが木に登りその実を食べる

 日本のテレビでも紹介されたそうですが、アルガンの木にはヤギが登って、その実を食べることで有名です。蹄(ひずめ)しかないヤギが木に登るとは、信じられないことでしょうが、この木は幹が短くて低く、よじれた枝が地上m前後で横に伸びているので、その実を食べるためにヤギが簡単に登れると言うわけです。もともとヤギは高い所に登る習性があることも事実です。

 私もアガディールにいた年の間にこの光景に幾度か出くわしましたが、最高24頭のヤギが本の木に登っていたことがあり、その光景は壮観で、観光バスも臨時停車して、オランダからの観光客50名ほどが一斉にカメラを向けていました。まさに観光にも一役買っているヤギとアルガンの木の光景でした。

 舞鶴の京都大学水産実験所で勉強をされて、現在NHKエンタープライズのチーフディレクターをされている小山靖弘氏(大王イカの生態を始めて世界に知らせた方)に、このヤギのことをメールしましたら、彼はちょうど小笠原で大王イカの取材中でしたが、是非とも登っているヤギの写真、特に足がどうなっているのかの写真を送ってくださいとの連絡がありました。そのため、再びアルガンの木に登るヤギを探さなくてはならず、いささか苦労したことがありました。ヤギの足には変化はなく、普通のヤギの蹄がついているだけした。

 ヤギがアルガンの実を食べても、アルガンの種()は消化されないため、そのまま糞の中に出てくるので、それも利用されています。ちょうど、ベトナムでの一番おいしいコーヒーは、イタチの仲間の動物の糞から出てきたコーヒー豆だと言う話は有名ですが、アルガンオイルの味はきっと変わることはないでしょう。ちなみに、ヤギの肉は臭いが強いので、沖縄では調理にヨモギを利用しますが、臭いを消すためには世界各地でいろいろなものを使います。しかし、アルガンの実を食べたヤギの肉は、まったく臭わず、それを使ったモロッコ伝統料理のタジンが大変美味しかったことが印象的です。

アルガンオイルの作り方

 アルガンオイルの製法をここでご紹介いたします。収穫した実から核を取り出しますが、この核は大変固く、ヘーゼルナッツの16倍も固い、というデータもあります。そして、核のままだと20年間も保存できるそうです。

 伝統的な製法は、ベルベル人の女性たちが行っている方法です。核の固い殻を石で割り、仁(じん)をとりだしますが、これを焙煎したものは食用オイルとなり、そのまま絞ったものは美容・薬用オイルになります。

共同作業をする組合のベルベル人の女性たち

手絞り作業、左は絞りかす

 この仁を少量の水と一緒に石臼でペースト状にし、これを手で絞ってアルガンオイルを集めます。残りかすにはタンパク質が多く、ヤギやラクダの餌になります。手搾りによるこの方法は多くの協同組合で行われ、実演販売し、観光客が見学できるようにもなっています。手搾りのオイルは酸化しやすいため3〜6ヶ月の保存可能期間ですので、家庭用として限られた市場で売られていました。

 しかし、近年になって、世界中からの需要が増えたために、機械を導入してオイルを絞る大規模な生産所も建設されてきています。この方法だと、水をつかわず、乾式圧縮法といい、機械で圧を加えて絞るために、安定した高品質のオイルが生産されるようになり、商品としての価値もその需要の多さと共に、大きく変わってきています。この方法で絞られた油は、12ヶ月から18ヶ月保存でき、つまり酸化しにくいというメリットもあります。

クレオパトラも愛用した美容オイル

 アルガンの生の実100gからのオイル収量はたった1リットルで、大変貴重なオイルであることがお分かりだと思います。実際にその仕事場で聞いた話によると、人の女性が日かって核を石で割り、sの仁を取り出すのが精いっぱいだそうですが、この量から1リットルのオイルができます。機械で搾取する場合でも、この作業は手作業でしなければなりません。

アロガンの実の仁(じん)を磨(す)る

収穫したあロガンの実

 アルガンの木はもともと、北アフリカの先住民であるタマジク族(ベルベル人の1族)の人たちが大切に、そのオイルを利用していました。紀元前16世紀頃から地中海地域の貿易権を持っていたフェニキア人たち、また、冒頭にも書きましたが紀元前1世紀頃には、絶世の美女クレオパトラも肌を美しくするためにアルガンオイルを使っていたとのことです。

 初めてアルガンの木が世界に紹介されたのがいつの頃かは分かりませんが、アルガンの木が初めて海外、すなわちオランダに18世紀に持って行かれたのは事実です。そこで、博物学者のビューフォートの奥さまである、マダムビューフォートにより、栽培され始めて海外にその名を知られることになりました。

 アルガンの森は農地の拡大や放牧により、また燃料にするための木の伐採により、過去50年のうちに3分の1になってしてしまった歴史があり、現在の自生地は約83万ヘクタール(8,280平方キロメートル)になってしまったそうです。そこで、UNESCO1999年に生物圏保護区域の指定を行い、その環境破壊を阻止し、アルガンの木や森を保存する条約を制定しました。

 UNESCOの提唱でアルガンの木や森が守られることになりましたが、そのためにはアルガンオイルの生産をモロッコの農産物として発達させ、それを輸出産品にすることで、アルガンの森を生かしていくことが行われ、その方向に進んできました。そして、植林も行われるようになったそうです。

今こそアルガンの自生地に恩返しを

 首都、ラバトにあるモハメド5世大学理学部の薬用植物研究の世界の第一人者である、ズビダ・シャルーフ教授は「アルガンの恩恵を私たちに教えてくれたアルガンの自生地域に、私たちは恩返しをする必要があります」(中村訳)との声明を発表されました。その中で、彼女はアルガンの実の正当価格を規定し、そこに住む人々をアルガンオイル供給チェーンの中に入れるべきであるとの提唱をされ、「タルガニンプロジェクト」が1996年に設立されました。

 このプロジェクトにはモロッコ王国はもちろんですが、カナダ、イギリス、日本、オランダ、モナコ公国、ベルギーなど多くの国々の政府を始め、世界の多様な団体からの支援がなされ、タルガニン女性協同組合ができました。ここではアルガン抽出法の開発やアルガンの木の保護に力を入れ、ここには現在50以上の女性による参画協同組合ができて、日々アルガンオイルの生産に励んでいます。

 このプロジェクトには、大きな二つの目的があります。それは、アラブの男性社会における女性の社会的地位の向上、未婚女性や未亡人への雇用機会の提供と女性の自立、識字率の向上などの社会問題を解消することと、地球の温暖化、異常気象、アルガンの木の伐採によるサハラ砂漠の砂漠化拡大を阻止するという環境問題を改善する方向で、このプロジェクトは動いています。日本にも、このプロジェクトの趣旨を理解・賛同し、この生産組合の製品を提供している会社があります。また、人気番組だった「ウルルン滞在記」でも紹介され、そのビデオをも見せていただきました。

「ウルルン滞在記」で紹介される−日本アルガンオイル協会が2009年に設立

 この素晴らしいプロジェクトはモデルケースとなって、アルガンばかりではなく他の農産物にもこの方法が適用されつつあるそうです。また、2001年にはイタリアの第1回スローフード大賞をこのプロジェクトが受賞したことから、ヨーロッパのセレブの間でアルガンオイルが話題となり、フランスの高級エステサロンでもよく使われるようになり、アルガンオイルはこの10年の間に、世界に大きな波紋を巻き起こしました。

 アメリカの市場調査会社のデータによると2002年にはアルガンオイル製品はたった品目であったのに対して、2012年ではその数が何と111品目と急増していることからも、その様子が良く理解できることでしょう。それはアルガンオイルの広い範囲に亘る効用が大きく世界に認められたからで、こうした発展のために、2005年にはモロッコ現国王、モハメド6世から、このプロジェクトに「連帯のトロフィー賞」が与えられました。

 そして、2007年にはタルガ二ンプロジェクトの設立10周年を記念してアルガンオイル国際会議が首都ラバトで開かれ、世界10数カ国から400名を上回る参加者がありました。各組合の活動が報告され、環境対策に関する国際団体からの発言がなされ、アルガンオイルの研究報告、特にオイルの機能性に関する研究成果の進展が大きく知られることになりました。限られた生産地と生産量を理解し、このオイルを本当に必要とする人々に正しく利用してもらうことを目的として、日本にも2009年に日本アルガンオイル協会が設立され、116日を「いいオイルの日」と制定しているそうです。

薬効も多様に認められ注目度が高まる

 ではこのへんで、アルガンオイルにはどんな働きがあるか、その効用についてのお話をしましょう。

コスメティック用アロガンオイル

アロガン石けん

食用アロガンオイル

 中国伝統医学、インド伝統医学と共に、世界の三大伝統医学であり、4500年の歴史を誇るアラブの伝統医学によると、「アルガンオイルは体のケア、ニキビや水痘の治療、リウマチ、火傷、手足のひびや湿疹などの治療、しわの軽減などの外用薬、また動脈硬化や心臓病の予防などの内用薬として、と同時に、肌や頭髪の保湿と保護のために使用する」(中村訳)と書かれています。

 特に800年前に著されたアラブ伝統医学書「薬草論」に書かれている遊牧民やモロッコ人の間での薬効は、ヘアケア、スキンケア、炎症止め、傷薬、そして食用油とあるそうです。また、ベルベルの人々の間では、産れた赤ちゃんに滴のアルガンオイルを飲ませる習慣もあるそうです。現在でも、アルガンオイルはモロッコではほとんどの皮膚科医により水痘や創傷などの回復に使用されています。

 こうした現実が経験的にその効果を実証していると思います。西洋医学の進展と科学の発達によるその分野の基礎研究の促進により、さらに詳しい成分とその効能が知られてきています。特に、皮膚の保湿、抗しわ効果については、ヨーロッパの大手医薬品メーカーなどの研究所による研究も急速に進んできています。

アルガンオイルにはヒトの体に必要な必須脂肪酸が多く含まれており、特にオレイン酸、α―リノレイン酸、パルミチン酸などが高濃度で含まれています。これら脂肪酸の働きがアルガンオイルの鍵を握っているようですので、その働きを少し詳しくご紹介します。

脂肪酸の働きにはアレルギー症状緩和も

 オレイン酸(44%含有)は抗酸化作用、つまり人の体内で活性酸素と結び付き、DNAに損傷を与え、発がん作用があると言われる過酸化脂肪の生成を阻止する働きをし、血中悪玉コレステロール(LD)を除きます。そのため、心筋梗塞、脳梗塞、高血圧、糖尿病などの生活習慣病の改善に役立ちます。また、胃酸の分泌を抑え、胃酸過多や胃潰瘍を予防し、乳化作用で排泄物を軟化し、腸の運動をよくするために、便秘を予防します。オレイン酸は皮膚の構成物質ですので、肌の健康をも維持します。

 α―リノレイン酸(30%含有)は、体内で必須脂肪酸のEPADHAに変わり、LDLを減らし善玉コレステロール(HDL)を増やす働きがあるために、オレイン酸と同様に脳梗塞、心筋梗塞、高脂血症、高血圧を抑え、がんの発生や増殖を抑えます。特に乳がん、肺がん、大腸がんなどの予防に有効です。オリーブオイルを除くほぼ一般のすべての油に含まれるリノール酸の過剰摂取がアトピー性皮膚炎や喘息を増加させていますが、これらのアレルギー症状をα―リノレイン酸が緩和する働きをします。

 パルミチン酸(12%含有)も抗酸化作用を持っています。皮膚を構成している表皮細胞を活性化し、粘膜の保護をする働きがあるために、アンチエージングやしわの防止に役立ちます。また、ビタミンAと結びついて、肌への浸透性を増強するために、皮膚の奥、つまり真皮と言われる皮膚細胞が増殖される所に届きやすく、そこでコラーゲンの生成を促す役割をします。そのため皮膚のたるみやしみや乾燥の防止、つまり、アンチエージング作用があり、またニキビの予防にも役立ちます。また、頭髪に艶や張りを与え、元気になる働きをもします。

 さらに、フェルラ酸と言うポリフェノールも含まれています。これは頭髪の成長必須物質であり、抜け毛を予防し、髪を健康に保ちます。さらに酸化防止や紫外線吸収作用もあるため、肌の美白効果も期待できるようです。また、アルガンオイルには一群の生理活性物質であるプロスタグランディンの3種が含まれ、免疫促進や抗炎症作用などに役立ちます。

 ビタミンEはオリーブオイルの23倍(700mg/kg)も含まれているため、心疾患の予防や性器官の活性化をつかさどり、精力剤の役割も果たすそうです。ある研究者によると、誰でも性欲と性能力のポテンシャルを上げる作用をする(中村訳)とあります。こんなことを聞くと、早速に……と思われる男性方も現れることでしょう。

料理に使えば美味しくてヘルシー

 また、料理に使用するとナッツの深い香りを与えるため、ヨーロッパ人にとっては伝統料理的になるそうです。彼らは魚、サツマイモ、サラダ、ヤギ乳チーズ、スープ、デザートなどにアルガンオイルを幅広く利用するそうです。フランス料理の有名シェフたちもアルガンオイルを料理に利用して、その味に深みを増していることも事実だそうです。

 日本人の味覚にどうあうか、それは疑問ですが、オリーブオイルとは全く違い、あっさりしたオイルの味がし、私はサラダドレッシングに利用していますが、ゴマ油のようなかすかな香ばしい香りを感じて美味しいと思います。

 イマジゲン(ベルベル人のグループ)の人たちに起源をもつ“アムルー”という食品があります、これはアルガンオイル生産地の特産品で、今やモロッコの人気食品となっています。これは、アーモンドとアルガンオイルを石臼で挽きペースト状にしたものに、蜂蜜を加えたもので、パンにつけて食べます。お店でも売られていますが、高価なものです。ベルベル人の私の友人のお母さんはいつも伝統的な方法で、アムル―を作ってくださるので、いつの間にかパン食のバターのような存在となり、私はその美味しさを楽しませてもらっています。

 その友人は日本の文部科学省の奨学金を授与され、20134月から京都大学に留学することになり、日本へ旅立ちました。その直前に600km南から私に会いに来てくださり、お母さんの作ってくださったアルガンオイルとアムルーをたくさん持って来てくださいました。今度の私の赴任地はアルガンオイルの産地から1000kmも北なのです。そして、日本からの彼のメールの中では、「アルガンオイルとアムル―は1年分位持ってきているので大丈夫」とのことです。彼らにとって本当に大切な食べ物だと言うことが良く分かります。

 100年前はベルベル人の生活の一部でしかなかったアルガンオイルは、今では欧米でヘルスサプリメントの頂点となっています。そして、健康と美容に大きく貢献していますので、将来、この傾向はずっと継続されていくことでしょう。

「黄金の液体」をぜひ知ってください

 発展途上国の農産物や雑貨などを、適正な価格で継続的に輸入・消費する取り組みであり、低賃金労働を強いられる傾向のある途上国で雇用を創出し、途上国の貧困の解消や経済的自立を促すフェアトレード(公正な貿易)を是非とも守り継続していただきたいものです。

 私がアルガンオイルの素晴らしさを感じる時、その生産地に幾度も足をのばし、この目に焼きついた光景がよみがえってきます。大変過酷な自然条件の中で、力強く大地に根を張るアルガンの木々、そこで黙々と生きる人々、そして、アルガンオイルを手作業で生産する女性たちとの出会いを決して忘れることはありません。素晴らしい「黄金の液体」からはこのような現実を想像することは不可能だと思い、その背景を文章にしたためました。


2014年6月記 中村禮子(なかむら・れいこ)


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