ぶらり街道の味探検 にようこそ


「味探検」の秩父取材中に知り合った小池重雄さん、そして小池さんのお友達の小沢恒夫さんからは、秩父の春の話題をたくさん聞かせていただきました。小沢さんと小沢さんのお友達で作られた「秩父の食文化を見つける会」の機関誌『花暦』(はなごよみ)は、1993(平成5)年に創刊され、これまでに7号を発行されています。小沢さんから、コピーをいただき、その内容の豊富さと記述の質の高さに感激しました。「秩父の食文化を見つける会」のホームページに、画像で挿入されているのですが、ちょっと読みにくいので、小沢さんにご了解いただいて、MANAしんぶんに「花暦」で特集された味の話のテキストと地図を転載することにしました。記事の版権は、「花暦」主宰者および執筆者に属します。

秩父の食文化を見つける会 機関誌「花暦」より

はなごよみ・もくじ

bP―特集 秩父のお菓子やさん

    秩父の水@

bQ特集 秩父のお豆腐屋さん

    秩父の水A

以下sorry  under construction

bR―特集 お好み焼き屋さん

    秩父の水B

bS―特集 秩父のおそば屋さん

    究極の味・酒@

bT―特集 秩父のおそば-第2弾

    究極の味・酒A

bU―特集 秩父のおそば-第3弾

    究極の味・酒B

bV―特集 昔懐かしい食堂

    究極の味・酒C


秩父の象徴 武甲山を望む

HANAGOYOMI

第1号/創刊号

平成5年5月1日発行 

 

特集 観光客には教えたくない!! ご近所で評判の

お菓子やさん

 

 秩父には、町の規模から考えると驚くべき数のお菓子屋さんがある、と言われます。その筋の情報によると、戦時中ある菓子屋さんが奮闘して軍需のまんじゅうを受注してきて、ために不足勝ちの砂糖と小豆が大量に供給され、困難な時代にもかかわらずこの町の菓子屋さん全体が命脈を保つことが出来たとか。
 そうして戦争を生き抜いて来た菓子屋さんたちが、この自動の機械による大量画一生産全盛の時代に、今なお昔ながらの手作りを続けているという事実はより稀有なことといえるでしょう。
 これらの店の多くは、おばあさんが一人で、あるいは、嫁さんか近所のおばさんに手伝ってもらいながら、日々必ず売り切れるだけの分量を営々と作り続けています。買う側も心得たもので、どの季節の何時頃行けば、目当てのお菓子が手に入る、といった情報を良く承知していて、しかもこの需給のバランスが崩れて味が変わることをおそれ、決して観光客などには教えたがらないのです。
 この作る側と、味わう側の共生関係こそが、秩父に奇跡の様なお菓子屋さん達を維持して来た秘密と言えるでしょう。
 今回は、その中でも比較的、評判のお店を特集しました。お菓子と共に周辺の町の風情、店主の人柄、二回り遅れといわれる店構え等々を味わうことが出来たら、あなたもかなりの秩父通。くれぐれもこの情報、人にはもらさぬ様に……(食狂人)

秩父のお菓子やさんmap

拡大図 ▼

@【五十風】餅菓子の通の店。小さな木製ウインドの中の『キビもち』が多くのファンを持つ名菓であることは、一見の客には知る由もない。
A【滋野】開店間隙に行列が出来るといつ噂の『うぐいすもち』は、音のままの味。
B【東町松月】老舗の一つ。『なす入りみそまん』というとんでもないお菓子は人により評価が激しく分かれる。
C【渡辺】誰が名づけたか『ふみ切りまんじゆう』が有名。ところがこれ茶まんじゅうのことか、すまんじゅうのことか、はたまた味噌まんじゅうのことか判然としない。塩味の強いアンが特徴の店。
D【石橋】食パンの石橋といえば秩父では知らぬ人はない。アンコ+バターを自分の好みのパンにつけてもらえる。
E【松林堂】黒砂糖味の水ようかん、といえばこのお店。一口でたちまちとりことなる。
F【松本】いかにも秩父っ子らしい奥さんの店。音ながらのコッぺにジャム+バターをつけて顔中が口になる程頬張ってムシャつくのが正しい食べ方。
G【若葉】秩父の茶人はここのねり菓子が定番。
H【坂本屋】『定峰まんじゅう』は肌目が細かくとるける様にやわらかい皮とタップリのアンが、少々現代的な味かもしれないけれどおいしい。
I【八宮松雪堂】店構えは小鹿野の老舗といった雰囲気。『おがのこいし』は山芋の風味があり一度食すと忘れられない。
J【大田甘池堂】日本最大手の羊カン屋の社長が、この店のものを食べて「つまらぬ味」と評した。ところが一緒に食べた工場長があわてて、「社、社長ーこの味はもはやうちでは作れません」と言ったとか。『本練り洋カン』は秩父を代表する名菓。
K【平沼】田舎の平均的菓子屋さん。
土産品にどうぞ。
L【児玉屋】素朴なうらぶれた菓子屋の趣きあり。小鹿野の人はここのモチ菓子が好き。
M【叶屋】まじめな小鹿野の最中です。音ながらの味を守る姿勢がうれしい。
N【栗原】ここのドラヤキの威風堂々の重量感はどうだ。一個百円なりの貫禄。
O【新井まんじゅう】ちょっと重曹くさい炭酸まんじゅうは、ぶ厚い皮の田舎の味わい。すまんじゅうの方が好きという人が多い。ここのアンは評者の推奨品。めったに買えない。
P【やへい】『やへいまんじゅう』は秩父で最も有名な茶まんじゅう。黒砂糖味の皮の部分がファンを引きつけろ。
Q【柴崎】草もちの王道を行く。奇を衒っていない。かたくなったものを揚げてもおいしい。
R【袋屋】よく出来た大振りのすまんじゅうは、ふんわりしていて、何個食べても飽きないのは、アンとのバランスが良いせい。


究極の水 秩父の水@

 昨年、幸なことに、(あるいは酔狂なことに)秩父で採取できる10数種類の天然水と、数種類の水道水、数種類の販売されている水を集め、きき水(ききみず)をする機会を持つことができました。きき水というのは、きき酒に近い方法で、水の味と香と色をきき分けようという試みです。
 この時の結果をお知らせししようと思いますが、その前に、ミネラルウォーターに対する私のスタンディングポジションを記しておきます。と申しますのも、別のご意見をお持ちの方が、だからあいつは何も判っちゃいないんだ、と批判する時の根拠にしていただけるように……。
 まず、皆さんが街のお店でお買いになれる銘柄で申しますと、「エヴィアン」は口の中に渋味が残ったり、ザラついたり(かなり硬度が高い水と思われます)してあまり好みではありません。「ヴォルヴィック」の方が雑味が少なく飲みやすいように思われます。
 また、「六甲の水」は余分な味がして、あまりおいしいとは買えません。
 といったところが、私の味覚であり、おいしさの基準です。
 さて、サンプルの集め方ですが、当日参加する人間一人につき、1種類以上の天然水をガラス容器、たいていは一升瓶に詰めて持ち寄りました。それが10数種類。そして、とても美味しいといわれている水道の水(秩父市の上水道の水)が2種類、酒造用の水2種類、といつ風に集めました。
 その結果は、字数が尽きましたので次号のお楽しみ。(座敷トド)

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