味探検 江戸前シリーズ 46(東京新聞1997年12月11日首都圏情報版「ゆめぽっけ」掲載) 

千葉県君津・瓠(ひさご)

海の幸ズラリ、料理の鉄人は元製鉄マン

 「駅前はたんぼばかり」と、東京から移り住んだころを話す雑誌記者の木野活明さん。量販店やパチンコ店に居酒屋が数軒あるだけの駅近くに、はっと気を引く店出現に気付いたのが2年前。「うまい肴にびっくり、勘定書を見て安くて二度びっくり」したという木野さん。以来、奥さん公認の常連客となる。
 ご主人の高祖久さんが店を始めたときは、まだ新日鉄君津勤務の現役製鉄マン。昨年定年を迎えた。
「品があり、料理が良くて家族で楽しめる雰囲気の店をやりたい」という第二の人生スタートだった。店名は「自分と女房の名前のヒサを当てたんですが、瓢箪(ひょうたん)のような格好の夫婦の人生というような……」とご主人。「本当いえば、この人の思いっきりが怖かった」と奥さんの久子さん。二人で北海道から沖縄まで行脚を重ねた上の決断だった。
 富津の魚介がメーンだが、どれも器や懐石風料理に景色がある。突き出しにはアナゴ巻きやマダコとワケギのヌタなど5、6品が並ぶ。今が旬のカレイ、サルエビ、マアジ刺し身盛り(1600円=写真)。煮魚(900円)は「メバル(=写真)がうまいよ」とご主人。「季節ごとの魚をつかった思いつきメニューが楽しめる」(木野さん)。
 店名を冠した熊本蔵元直送の焼酎がまたうまい。シェリー樽で寝かせた古酒らしい芳純な香りの焼酎と、ヒョウタン型夫婦仲のよさにあてられてすっかり酔ってしまった。(中島満)

「ひさご」メモ

千葉県君津市東坂田2ノ8ノ13。JR外房線君津駅北口を出てイトーヨーカドー角を曲がり、同店正面入り口から右に50メートル、徒歩3分。電話=0439・55・2228。カウンター6席、あがり8席。座敷8席。営業時間午後5時〜12時。定休日曜。

取材メモ  

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